4月の月例会

2010-04-14

テーマ: g新部、バグを追う旅 2010

開催日時 2010年4月28日(水曜日) 18:30 〜 20:30

Debian での Gauche 0.9の packaging に際し、FTBFS (Failure To Build From Source)を修正しようと始まった3月からこれまでのバグを追う旅について話します。

今回のは2008年のハードウェアのbugの発見までに至った冒険より困難な旅ではありませんが、kernel, GCC, GNU C library と多岐に渡る少し長い旅です(まだ終わってません)。

6つの件がありますが、このうちきっかけとなった Gauche 0.9 本体の修正は一つだけ。

特に、6つのうち (4) は奇怪な現象でした。このとらえ難い bug を根性と想像力で追い詰めるところを中心に話します。

話者

  • g新部 裕

概要

下記の6つのbugについて話します。

  1. Boem GC, NPTL in GNU C Library, and __EXCEPTION

    Garbage Collection のライブラリ (Boehm, Demers, Weiser gc)のbugについて。11月にShiroさんが bug 報告していた。 3つ目の patch を提案したところ。 現在、GCC のメーリングリストで Boehm さんが問い合わせ中。 http://www.hpl.hp.com/hosted/linux/mail-archives/gc/ http://gcc.gnu.org/ml/gcc/2010-04/msg00308.html

  2. Unwind and -fexception, syscall cancelpoint on HPPA

    GCC の bug かと思ったら HP PA RISC で GNU C library の未実装。 http://bugs.debian.org/cgi-bin/bugreport.cgi?bug=575351

  3. CAS emulation on HPPA

    CAS (compare-and-swap)命令くらいないと困るなぁという話。 bug を指摘。linux-parisc で対応されている模様。 http://lists.debian.org/debian-hppa/2010/03/threads.html#00034

  4. Threads and fork on machine with VIPT-WB cache

    奇怪な bug は kernel の所だと追い詰める。 が、linux-parisc では喧々囂々。どうなることやら。 http://www.parisc-linux.org/mailing-lists/

  5. Fix for -fstrict-aliasing on ia64

    メモリに書いたはずなのに、書いてないの? 追ってみるとコンパイラがia64の命令をスケジュールする際にとても努力している事がわかった。 http://sourceforge.net/mailarchive/message.php?msg_name=4BBE9F2C.5030903%40fsij.org

  6. Don't mark for dead thread(s)

    もうひとつ Boem-Demers-Weiser GC の bug fix. libgc は segfault handler があったり、追いかけるのが大変だった。 http://www.hpl.hp.com/hosted/linux/mail-archives/gc/